東京国立博物館「禅—心をかたちに—」に行ってきたので解説します

2016年10月18日から上野・東京国立博物館で開催されている特別展「禅—心をかたちに—」を初日に見てきました。

「禅—心をかたちに—」初日の混雑状況や展示内容、グッズの紹介をしたいと思います。

また、仏教用語や聞きなれない人名などが多く出てくるので、最低限ここだけは押さえておきたいポイントについて解説します。

ちょっと予習するだけで、見方が違ってきて楽しいですよ。

禅—心をかたちに— 東京

「禅—心をかたちに—」の開催場所の東京国立博物館。

たくさんの外国人観光客がチケット売り場にいましたが、彼らは特別展ではなく総合文化展を見学するみたいです。

禅—心をかたちに— 東京

東京国立博物館では、敷地に入るときに門のところでチケットの提示を求められます。

禅—心をかたちに— 東京

「禅—心をかたちに—」は少し奥まったところにある平成館で開催されています。

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「禅—心をかたちに—」の概要

禅—心をかたちに— 東京

「禅—心をかたちに—」は、臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱を記念して、国宝22件・重要文化財102件を含む禅の名宝が集められた美術展です。

さりげなく「遠諱(おんき)」という聞きなれない言葉が出てきますが、これは50年毎に行われる開祖様の法要であるということです。

禅宗とは?

禅宗は鎌倉時代に中国から伝えられた仏教の一派です。

禅宗は日本独特に発展し、宗教の一派であるにとどまらず日本文化全体に大きな影響を与えたことで知られています。

具値的に何をするのが禅かというと、

坐禅(ざぜん)や禅問答(ぜんもんどう)を通して、自分を見つめることです。

引用元:「禅—心をかたちに—」特設ウェブサイト

禅が愛されている理由については、

心を整理して「捨てる」ことができる点

引用元:「禅—心をかたちに—」特設ウェブサイト

と臨済宗の住職さんが説明していました。

個人的には、ヨガの瞑想に似ているのかなと思いました。

「禅—心をかたちに—」用語集

禅宗の歴史を知るのに欠かせない最低限の基礎知識です。

達磨(だるま)

達磨は中国禅宗の開祖とされる、時代的には5世紀後半から6世紀前半の人物です。

インド南部の王国の王子として生まれ、中国で活躍しました。

達磨が壁に向かって九年の座禅を行ったことによって手足が腐ってしまったという伝説から、日本でおなじみのだるまさんができたそうです。

臨済 義玄(りんざい ぎげん)

臨済義玄(生年不明~867)は中国唐の禅僧で、臨済宗の開祖です。

棒や「喝(かつ)」を用いる峻烈な家風を築いた人物です。

一般的に、禅と言えば「喝(かつ)」のイメージも強いですが、臨済義玄がそのルーツになっているわけです。

臨済・黄檗十五派本山

禅宗が日本に導入されたのは鎌倉時代からで、様々な流派が成立しました。

14世紀末になると、現在の臨済宗の本山十四カ寺がすべて出そろいます。

江戸時代には、中国から臨済宗の一派である黄檗宗が伝わり、その本山を臨済宗の本山十四カ寺と合わせて「臨済・黄檗十五派」と呼んでいます。

(臨済宗の14寺+黄檗宗の1寺=臨済・黄檗十五派)

白隠 慧鶴(はくいん えかく)

白隠慧鶴(1686年~1769年)は、江戸中期の禅僧で「臨済宗中興の祖」といわれる人物です。

曹洞宗など他の宗派と比べ衰退していた臨済宗を復興させたことのほかに、禅の教えを表した絵を数多く描いたことでも知られています。

「禅—心をかたちに—」の混雑状況と内容

禅—心をかたちに— 東京

「禅—心をかたちに—」美術展の入口です。

禅—心をかたちに— 東京

初日の昼下がりに観に行きました。

混雑状況はそこそこ人が入っていましたが、混んでいるというほどでもなく普通でした。

禅—心をかたちに— 東京

「禅—心をかたちに—」では、禅の名宝が5つの章に分けて紹介されています。

  • 第1章 禅宗の成立
  • 第2章 臨済宗の導入と展開
  • 第3章 戦国武将と近世の高僧
  • 第4章 禅の仏たち
  • 第5章 禅文化の広がり

「第2章 臨済宗の導入と展開」では、臨済宗の15本山それぞれの寺院の紹介、開祖様の肖像画が多く展示されていて、会場内で一番大きなスペースが割かれています。

鎌倉にある建長寺の開祖・蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)座禅像の修復作業の様子の展示もありました。

禅—心をかたちに— 東京

音声ガイド、最後のプログラムで「喝(かつ)」って怒鳴ってくれます(笑)

「禅—心をかたちに—」のグッズ

珍しいのは会場の構造で、普通は展示の一番最後にグッズ売り場があるのですが、この会場では展示の前半と後半の真ん中にグッズ売り場があります。

見学途中で目星をつけておいて、最後に買いに行くということもできます。

禅—心をかたちに— 東京

ポスターで使用されているのは、白隠慧鶴の《達磨像》です。

禅—心をかたちに— 東京

イラストレーター松尾たいこ氏によるオリジナルキャラクターグッズ。

トラかわいい。。。買えばよかったかしらと後悔。

禅—心をかたちに— 東京

いとうせいこう・みうらじゅんコラボTシャツ。

このセンスはアングラか?

ちなみに、この方たちは東京国立博物館の本館で開催されている「平安の秘仏」の音声ガイドも担当しています。

仲良し仏像好きコンビなんですかね?

「禅—心をかたちに—」の感想

日本史が好きな人や戦国武将が好きな人は楽しめると思います。

私はその辺勉強しないで行ったので、ちょっと難しく感じました。

さりげなく「一休さん」のモデルになった一休宗純の展示があったりもしますが、純粋に真面目な事しか書いてありません(笑)

また、私はこの日「デトロイト美術館展」・「ゴッホとゴーギャン展」に続く、ハシゴ3件目で「禅—心をかたちに—」を見ました。

時間にして1時間30分程は滞在していたのですが、最後ちょっとだけ余裕がなくなってしまいました。

東京国立博物館は、特別展のチケットで総合文化展も見学できるので、早い時間に行って1日ゆっくり過ごしたほうが良いですね。

私は疲れ果ててしまって、総合文化展などは見ることができずに会場を後にしました。

■ 基本情報
  • 名称: 「禅―心をかたちに―」
  • 開催期間: 2016年10月18日~11月27日
  • 開館時間: 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
  • 入館料: 一般1,600円
  • 開催場所: 東京国立博物館 平成館
  • 電話番号: 03-5777-8600
  • 美術館URL: https://www.tnm.jp/

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