エビスコムのフレキシブルレイアウト(css)本について残念に思うこと
エビスコムさんの書籍の感想です。
『6ステップでマスターする 「最新標準」HTML+CSSデザイン ~フレキシブルボックスレイアウトを使った、レスポンシブWebデザインの本格的レイアウトテクニック~』を読み終えて、攻めの一冊であると感じましたが、同時に残念に思う部分もありました。
今回はその辺のところを書いていきたいと思います。
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著者について(エビスコム)
私は著者のエビスコムさんのファンです。
エビスコムさんが個人なのかグループなのか明らかではありませんが、WEBサイト作成に関する書籍については、「WEBの勉強をするならエビスコム本」、「安心安定のエビスコム本」などと評価されていて、コアなファンが多いのではないかと思います。
参考記事
エビスコムの教本(htmlとwordpress)にハマる | ゲームソフト的面白さ
出版社について(マイナビ)
IT・WEB技術の書籍って、勉強していくうちに出版社の好みが出てくるものだと思っています。
知人ではMdN社が好きという人もいれば、技術評論社が好きという人もいます。
私はエビスコムの名著の多く出版されているソシムが好きですが、エビスコムの本はソシムの他にマイナビから出版されているシリーズもあります。
本書『6ステップでマスターする 「最新標準」HTML+CSSデザイン ~フレキシブルボックスレイアウトを使った、レスポンシブWebデザインの本格的レイアウトテクニック~』は、そのマイナビから出版された最新作(2016/8/24) となります。
対象レベル(中級者)
対象レベルは、ある程度コーディングの知識のある人でしょう。
参考までに挙げると、ソシムから出版されている同著者の『HTML5&CSS3デザインブック』を学習された人であれば問題なくついていけます。
表紙を見ると「新人デザイナーにも」と謳っており、巻末にHTMLとCSSのリファレンスを収録してあることから、制作側としては基本を習得したい初心者をも対象としているのかもしれません。
しかしながら、本書は基本的な部分についての説明は浅いため、一から学ぼうという人は色々と置いてけぼりになってしまうかもしれません。
本書のコンセプト
WEBページを古いブラウザに対応させ続けていると、新しく開発された機能は一部使用できても、いつまでたってもフルには使えずじまいになってしまいます。
筆者のコンセプトを自分なりにまとめると、
「今こそ古いブラウザの呪縛から開放され、HTML5+CSS3の機能を存分に使用した、モダンなWEBサイトを作ってみようではないか!」
という誘いが感じられる、攻めた一冊になっているかと思います。
具体的には、CSS3の"flexbox"を使用した「フレキシブルボックスレイアウト」を駆使したWEBサイトの作成術となります。
本書の残念な点
本書は実質的に、フレキシブルボックスレイアウト教本といった内容になっています。
しかしながら、肝心のフレキシブルボックスレイアウトの仕組みについての、突っ込んだ解説が乏しいことが気になりました。
教本通りに記述すれば確かに表示はされますが、CSSがスッキリ理解できていないと面白さは半減ですよね。
一応、巻末でフレキシブルボックスレイアウトについて7ページ分の説明があるのですが十分とは言えず、仕方がないので所有していた『できるポケット HTML5&CSS3/2.1全事典』なども参照しながら学習しました。
(エビスコムさんの本なのに内容が寂しい。。。)
先にも挙げた、ソシムから出版されている同著者の『HTML5&CSS3デザインブック』 では、これから作成するサイトで駆使する技術について「Webページにおける段組み」というテーマで丸々1章、40ページ以上使って懇切丁寧に解説してくれているのがとても良かっただけに、今回は残念でした。
その他感想
他にイマイチだった点は、ヘッダのーナビとして紹介されているのが、トルグボタンで開閉する、いわゆるハンバーガーメニューなのですが、『HTML5&CSS3デザインブック 』、『WordPressデザインブック』に続き今回で3回目の登場なので、いい加減飽きました。
良かった点は、CSS3の単位(em、rem、vh、vw)の上手な使い方を学べた点です。
CSSの変数機能を使用した、ブラウザの横幅によって伸縮するフォントサイズの指定方法は、「こういうのあったらいいな」と待っていたものが来た感じでした。
文字間隔を調整する"letter-spacing"と、行の高さを指定する”line-height”については、自己流で使っていたため、参考になる指摘がありました。
背景画像をブラウザいっぱいに表示するCSS、ヘッダーを画面上部に固定するCSSについては自分としては既に知っていたことでしたが、これから学ぶ人には嬉しいCSSだと思います。
今回は全体にワクワク感よりも物足りなさを感じてしまいましたが、これからもエビスコムさんの本で勉強していきたいと思っています。